日時
平成18年10月24日 (火) 13時~16時
場所
神戸大学事務局 大会議室
出席者
野上議長 (学長) 、鈴木委員、北村委員、眞山委員、西島委員、西田委員、坂本委員、 高﨑委員、守殿委員、 天野委員、河内委員、佐藤委員、新野委員、濵委員、平野委員、
(オブザーバー) 川嶋学長補佐、中野学長補佐、冨田学長補佐、赤塚監事、枡田監事
欠席者
井戸委員、谷井委員、水越委員、矢田委員
議事要録について
第8回経営協議会の議事要録について、各委員へ事前に送付し確認をいただき、役員会として了承の上、神戸大学のホームページに公表する旨報告があった。
議題
[委員からの主な意見等 (○: 意見?質問、→: 回答) ]
1. 人事院勧告 (平成18年8月8日) に対する本学の基本的対応方針について
本学の教職員の給与体系は、基本的には国家公務員の給与体系を継承しており、これまで人事院勧告に準拠した扱いをしてきた。 このたびの人事院勧告はいわゆるゼロベースの勧告である。 本学においてもこれを踏まえて、職員団体等と協議し、対応していきたい旨の提案があり、異議なく了承された。
2. 神戸大LLC (合同会社神戸大学支援機構) について
大学の財産である「知」の活用を図りながら知的創造サイクルを構築することが重要である。 大学が直接ビジネス展開することなく、新産業創造型の知的創造サイクルに資する神戸大LLCを早期に立ち上げたい。 現在、連携創造本部が担っている知的財産部門に係る業務を神戸大LLCに業務委託することによって、 神戸大LLCで直接その事業の展開を図りたいとの報告があった。
○ 神戸大LLCの役員の役割が大きいと思うが、どういう人材を予定しているか。まず、代表者たるべき人を決めることが先決である。
→ 現在のところ、企業出身者で考えているが、まだ目途は付いていない。
○ 神戸大LLCを立ち上げれば、当然コスト計算をしなければならなくなる。収益が上がるかどうかを判断する必要がある。
→ コスト計算については詰める必要がある。関係各位から多角的にご意見をいただきながら、収支の見通しを付けたい。
○ 経営協議会に諮るときには、これならやれますということを出さなくてはならない。
→ きちっとした事業計画や収支計画を固めたい。
3. 附属学校園の再編について
再編の時期は平成21年4月を予定しているが、新しい中等教育学校のビジョン、具体的なカリキュラムも順次検討している。 保護者の方々からいただいたご意見を基にして、現在、どういう移行計画がより適切であるかということを、全力を挙げて検討をしている旨の報告があった。
4. 国立大学法人評価委員会の評価結果について
神戸大学に対する全体の評価については、大学改革に向けた具体的かつ理念的な取り組みが各般にわたって行われており、 個々の実践のみならずトータルな改革への姿勢、背景にある理想的な大学像構築への意欲は、高く評価されている。
業績評価については、大学全体としてメタ評価を行うこととしており、処遇面への反映については、学部の個性、多様性を重視するため、 全学としての指標の一本化はせず、各学部の判断を尊重する方針を採っているが、今後の検討の推移を見守り、その結論を注目したいとされている。
項目別評価は大きく四つあり、第一の業務運営の改善及び効率化については、(1) 経営協議会の指摘事項を大学運営に反映していること、 (2) 理事と事務局の組織体制との関係が課題であり、迅速で戦略的な意思決定に向けて、ビジョン?政策策定のプロジェクトにおける大学の将来を見据えながら、 理事の数を含めた役割分担を検討するとしていること、(3) 監査室の位置付けに関し、監事からのコメントにより迅速に学長直轄の組織としたこと、 が注目すべき事項とされている。定年年齢の延長措置又は継続雇用制度の在り方などについて課題が指摘されているが、 全体としてはおおむね順調に進んでいると評価されている。
第二の財務内容の改善については、13事項すべてが年度計画を上回っている、あるいは十分に実施しているということで、順調に進んでいると評価されている。
第三の自己点検?評価については、17事項すべてが年度計画を上回って実施している、あるいは十分に実施しているということで、順調に進んでいると評価されている。
第四のその他業務運営に関する事項については、例えば不適切な事象の発生と事後的対応について取りまとめ公表していることは、 これは発生の防止のための体制が危機意識を持って構築されているもの、あるいは大学の説明責任を果たす観点からも評価できるといったポジティブな評価がなされており、 課題の指摘も一箇所あるが、おおむね順調に進んでいると評価されている。
以上の報告に対し、大学評価の基準を巡る意見が学外委員より複数出された。
5. 国立大学法人の平成17年度決算の概要について
本学の平成17年度決算については、去る6月23日の経営協議会でご報告しているが、文部科学省へ提出した資料をわかりやすくしたものを今年初めて作った旨の報告があり、 その資料が配付された。また、他大学との比較についての報告が付け加えられた。
○ この神戸大学の財務状況の資料は、誰に配るために作ったのかということを明確にしないといけない。数字の解説だけではいけない。 また、附属病院経営については、他大学の附属病院の経営資料を分析して、今後の神戸大学医学部附属病院の経営の参考にしていく必要がある。
6. 業務改善の取りまとめと事務組織?人事制度デザインWG検討状況について
まず、業務量の削減については、全体としては7.9%の削減と移管業務量は0.6%という計算ができた。 ただ、政府の総人件費改革に基づき、平成18年度から5年間に5%の人件費削減を実行することになり、 これに対応したため、新たな業務等に対応させる人員数が僅かなものになってしまった。 しかし、業務量の数値化と業務フローの作成という成果はあった。 業務量の削減効果等を事務組織、人事制度にどう反映していくかについては、事務組織?人事制度デザインワーキンググループが、 特に学生?教員へのサービス向上のため、各部局等から削減業務時間の積極的な活用計画を提出させ、検討?実施していこうとしている。 また、本年4月に高齢者雇用安定法が施行され、この対応が本学として残っており、鋭意検討を進めている、との報告があった。
○ 大学でこれだけの見直しを短期間に取り組まれたことは画期的なことである。 今回、業務改善として分析されたが、神戸大学には伝統ある経営学部もあることから、 今後、これのフォローと経営という研究教育分野の観点から本学の業務について考えてみてはどうか。
→ 本学の業務を研究対象として考え、それを業務に反映させることは、今後考えたい。
○ 他大学との共同研究もよいのではないか。私学との比較研究も必要であろう。
7. 神戸大学ミッション?ビジョン?政策について
現在、神戸大学ミッション?ビジョン ステートメントについて、学内でパブリックコメントに付し、それを受けて鋭意検討中である旨の報告があった。
○ 一般の学生や職員とのギャップができないよう、関係者の意見を聞いていかないと、経営としてはうまくいかなくなるのではないか。
→ 学長として神戸大学のミッション?ビジョン ステートメントについての思いを、構成員と共有しようと思っている。 絵にかいた餅になってしまうと、大学にとっては大きな損失になるので、心して取り組みたい。
8. 神戸大学基金について
神戸大学基金を創設し、2008年3月までのキャンペーン期間中に全体で30億円、学内で1億円の募金を行いたい。 (1) 基金による基本事業として、学生の支援?キャンパスの整備、研究者招聘等、(2) 基金創設記念キャンペーン事業として、 六甲台講堂の再生、未来創造産学融合の拠点形成、先端医学?生命科学の拠点形成、海事?海洋研究の拠点形成等を考えている。 また、今後、神戸大学基金推進室を設けるとの報告があった。
○ 基金募集の主な対象が、企業であるならば、それに相応しい行動組織を作って活動すべきである。
→ 御指摘の点に留意して展開する。